ウチのハダカの王様

スピード結婚した夫婦の話。生活をスタートさせたが・・・初めて知る夫の言動を書き留めている。

あの時から・・・

出逢って一週間メールだけのやり取りから始まった
『付き合ってください!』
久しぶりにハッキリと伝えられた初めてのデートの帰り
自分の親を大事にする、遠く離れた故郷が大好きな彼は
きっと自分の親も大事にしてくれる
優しくて、いざとなる時に決断力がある40歳を数年過ぎた年上の彼を好きになった


その3ヶ月後
『結納』


そして
いつの間にか
式に着るウェディングドレスを試着する日々
テーブルクロスは何色?
ここのテーブルに花はいる?
式当日までに決めなきゃならないことや
作成する新郎新婦の作業など、やることが沢山あって
デートもせずに会場の往復で毎日が追われていた


憧れていた式場
長く引きずる純白ドレス
姫系の豪華ティアラ
お色直しのドレス選び


夢みていた結婚式に近づこうとする私のチョイスに
いいね!いいね!と賛同してくれる彼
安心すらあった


あの一言を聞くまでは…



『引き出物はさー  参列者ひとり1セット配るよね』



ホテルのスタッフさんが慌ててフォローしてくれた
「お住まいの土地にもよりますが、当ホテルご利用の新郎新婦様は
  参列者代表の方に1セットお配りしていますよ」


「私が参列してきた友人の式だって親戚の式だって
  代表者に1セットだったよ?」


「じゃー遠くから来た夫婦や家族で来てる人は代表者以外、手ぶらで帰らせるのかよ!」


新婦の私も、私の両親も、ホテル側と同意見だ
あなたの故郷は、各個人が配られるシステムなの?!


そんな風に、『手ぶらで帰らせる』なんて今まで思ったことが無かった
『私には渡してくれないの?』と口にした人を見たことがないからだ
彼だって何度も式に参列してきた経験があるというのに・・・
私はすぐに席を外し、両親へ連絡をとった
「彼は自信満々に言ってくる、私は間違っているの?」
「きっと何も知らないんだろう、なぜ代表者だけに渡すのか説明してやりなさい」


参列者ひとりに1セット渡していたら出費が膨大に・・・
夫婦で来てくれてる人に同じバームクーヘン丸ごとを2個渡すのか?!
引き出物ギフトカタログなんて、家に同じ本何冊もいらないし・・・
子連れの幼稚園児にもカタログを配るのか?


40年以上、生きてきた男が
自身満々に俺は間違っていない!とムキになっている彼が
納得してくれるんだろうか?


田舎の両親に電話して確認をしてもらった


「参列者の代表の方に1セットでいいのよ」


「そうなの?」と、しぶしぶ電話を切っていた


私にとって、そして私の両親にとっても
これが最初の衝撃だった


彼は何も知らずに大きくなった王様