ウチのハダカの王様

スピード結婚した夫婦の話。生活をスタートさせたが・・・初めて知る夫の言動を書き留めている。

新婚旅行(海満喫)

朝からオプションで
遠いエメラルドグリーンの海
天国に近い海へ行くことになった



沢山のホテルの参加者を
バスが拾って現地へ向かうツアーだ



私たちは二つ目くらいだったせいもあり


あといくつのホテル寄るのかしら?と


ハワイの海をまだかまだかとソワソワしていた





今日は海満喫だから
水着の上に短パンとTシャツにビーチサンダル!



大きなツアーバスの中は


各ホテルから乗ってきた日本人カップルばかり




今日もいい天気で気温も上昇!




バスの中はキンキンにエアコンがきいていて寒かった







トイレ行きたい・・・







あといくつのホテルに寄るのかわからないが


一箇所の待機時間が長くて


私はトイレに行きたくなってしまった





「ねー、トイレ行きたい!」
「えー!!!あともう少しで出発だよ我慢しなよ」
「でもあと何分かかるかわからないし
 今行っておきたい!」




ちょうど停車してる場所が
ショッピングセンター前だったこともあり
ツアー客を待っている間に行かせてもらおうと思ったのだ




引き止められたが


私なりの限界だったのだ



彼の手を振り払い


私は一番前の運転手にトイレに行きたいことを伝えた




あとから付いてきた彼は
困っている運転手にカタコト英語で


「困るよなー?トイレ行きたいて言われても
 トイレOK?ヒアー、ディス、トイレOK?」


一応、聞いてくれているようだ




運転手は外で名簿リストを持ったスタッフに私の話をしてくれた



スタッフは英語で


「すぐ出発だからもう少し待ってくれ」


と言っている


次のホテルで行けばいい、と言うのだが


次のホテルまで何分なのか?


観光の町は渋滞していて進みも悪い・・・




私は必死に英語で訴えた


すぐに戻るから行かせてほしい!と


同時に目の前のショッピングセンターをさした




スタッフは仕方なさそうに「OK!」と言ってくれた



彼は良かったね!と言って
現地スタッフに
「サンキュー!ソーリーソーリー!」と



『こいつがごめんよー』と言わんばかりの表情で
手を合わせていた



その態度にカチンと来たが


彼を引っ張り


バスの席へ




貴重品を持って出ようとすると
彼は席に座っている




「一緒に来てくれるよね?」


「え?俺も行くの?」


「こんな朝早くのショッピングセンターのトイレ
 女性独りで行かせるの?」





俺も行くの?と聞いてきた時点で


カチンときていたが・・・





「貴重品だけ持ってね!行こう!!!」



私の緊急事態は待ってくれない


そもそも交渉している間に
緊急事態は高まっているのだから







いざショッピングセンターに入れたものの


広すぎてトイレが見当たらない






地図を見ても


日本のショッピングセンターのような


親切でわかりやすい案内ではないのだ






二人で手分けして探して


センターを
右へ左へと
走りまわった








私は3階に受付を見つけた




スタッフが数名いる!!



走って尋ねた





長々と英語でしゃべられて
よくわからないが



わかったことは


トイレはあるが


鍵がかかっている、という事だ






私は必死に貸してほしいとお願いをすると


スタッフの人が


鍵を取りに行ってくれた





トイレを探している彼を呼びとめて


3階のトイレを探した







「あった!あった!!こっちだ!」






私は限界の状態で走った






ふと


シーンと静まりかえった道のりに


暗闇の中


人の気配が感じない





トイレに早く行きたい足を止めて


後ろを振り返った





トイレに向かって無我夢中に走っている私は


独りぼっちであることに気が付いた








「なんで来てくれないのー!
  怖いじゃん!!!」





私は遠くにいる彼に叫んだ







「トイレあったでしょ?」と呑気な彼の余裕な声





「俺は荷物心配だからバスに戻ってるね!!」








おしっこの限界と


彼の無責任さに


怒りが爆発した









こんな誰もいないトイレで
女一人残して
よくバスに戻るなんて言えるわね!
ここは日本じゃないんだよ!?

アメリカだよ!!!
鍵をかけなくちゃならないトイレなんだよ!
新婚旅行で来た妻の心配は無いわけ?!
バスの荷物の何が心配なのよ!
貴重品は持ってきてるし
バスの中は日本人だよ!
ここで襲われるかもしれない妻の心配はないの?
守ろうとする責任感は無いわけ?!!









これが私の
新婚旅行にて
泣きそうになった『トイレ事件』




これで




この後は


ずっと
モヤモヤし




『成田離婚』という文字が



頭から離れなかった・・・





せっかくの
天国に一番近い海のツアー


真っ青な空


海底まで透き通ってみえる綺麗な青い海


太陽が反射してキラキラ輝く水面






この人は
この海で
私に何か起きた時




私を置いて
逃げるのかな・・・









ホテルへ向かう帰りのバスは


朝の彼の言動




そして




田舎の田舎で生まれ育った彼が




泳げない




ということを海の中で知り





彼との会話も減り





ただただ



夕焼けの車窓を眺めていた








海外は


荷物を取れらるなどの注意書きが


ネットや雑誌に記載されている




海外旅行では


『荷物から離れない』


常識的なことだし


頭に入れておくことではあるが





浮き輪やタオルなんてどうでもいい









結婚したばかりの妻を


放っておいて


置き引きを心配する彼の幼さ










海外初心者という事もあり


ガイドブックが頭にあったのかもしれないが





夫として


一人の男性として



どうなんだろう・・・・






私は結婚を早まったのか?






『成田離婚』て


どこで別れるんだろう・・・






飛行機降りた時?



それとも入国審査終えて
空港出る時??








着陸態勢に入るので
ベルトをするサインが点灯した頃から




ずっと窓の外の滑走路を撮影していた
ウチの王様





新婚旅行の想い出ビデオは


ほぼ


行きの滑走路と帰りの滑走路の記録