ウチのハダカの王様

スピード結婚した夫婦の話。生活をスタートさせたが・・・初めて知る夫の言動を書き留めている。

実家に帰らせていただきますっ!


お付き合い期間も少ない中
狭いアパートで新婚生活がスタートした


このコロナの自粛生活のおかげで・・・


彼は3月からテレワークになった


恐ろしい事に
月曜から金曜日
毎朝9時から30分ほど
リモート朝会をするというのだ


(週に一度でいいだろう)



部屋は
対面キッチンリビング
5畳の寝室
洋室の3部屋だ



唯一の洋室は
長い間独り暮らしをしてきた二人の衣装ケースやラック
彼のスーツ関係
洗濯物などで埋め尽くされている


必然的にリビングにあるダイニングテーブルで
彼は仕事をすることになった



自粛生活を強いられ
近所の子供が毎朝外でサッカーの練習を始める



リモートの時間がせまると
「うるさいなー」と窓を全て閉める彼



食事が終わった食器を洗っていると
「それさー 後でやってくれる?」



洗濯物を干していると
「それさー 後でやってくれる?」



トイレから戻る私に
「行くなら会議の前に行ってくれる?」



「リモート会議のときは、寝室に行っててもらえる?」



そう・・・


妻のイライラが募る







毎朝家事をしながら観ている情報番組「スッキリ」
その中でお気に入りのコーナーが9時ぐらいから放送される


もちろん
仕事の電話がかかってくれば
テレビの音を消して・・・
という生活だ


どうしても
そのコーナーを観たい日だった


リモート会議が始まる前に
「音消して、静かにテレビの前で座って観てるから居てもいいでしょ?」


「えー・・・ 嫌だ!」


「音消して、静かに観てるんだから迷惑かけないじゃん」


「えー・・・ 嫌なの!そこに居られるのが嫌なの!早く出てってー!!」



カチン!!!



「前から言いたかったけどさー
   神経質過ぎるよ!

   近所の音くらい仕方がないでしょ?!
   ここは自宅なの!
   ここで生活してるの!
   食器洗ったり、洗濯物も太陽が出てるうちに干したいし

   トイレだって、いつ行ってもいいでしょ!!
   音が鳴ったって、自宅なんだから、ってドーンと構えて欲しい
   こっちだって静かにしてようと気を遣っているのに
   あれもこれも後にして、って無理でしょ!

   しまいには、早く出てって!とは何よ!!サイテー!!」    




こんなところで生活していられない


こんな状況で朝昼晩と食事作って


食器を洗い終われば「お昼なあに?」て言われて


お昼ご飯終わって片づけしていれば「夕飯なあに?」て言われて


夫の洗濯物洗って干して「なっちゃん電卓取ってー」


「なっちゃんそこのペン取ってー」


横目で見ながら
一人で大きなベッドシーツやカバーを背伸びして干して


独りの時間もなく


ホッと一息つく暇もなく動いて






テレワーク3ヶ月



もう限界!! 







「実家にしばらく帰らせていただきますっ!!!」







勢いよくカバンに服を詰め込んでいる私に


「なんでそんなに怒るの?!いつもどこかへ行ってくれてたじゃん」
「実家に帰らなくてもいいじゃん」
「ねーねーごめん、てばー」



私は勢いよくアパートから飛び出して実家へ








電車を乗り継ぎ
実家に到着すると
「私にLINE(メール)が届いてるわよ」と母




『この度は、なっちゃんがお世話になります
 朝どうしても観たいテレビがあって
 観れなかったもんですから
 いろいろバタバタしてしまいまして・・・
 長い自粛生活で私がテレワークしているのもあり
 ストレスが溜まってしまったのかもしれません
 しばらく帰らないみたいなので
 よろしくお願い致します』






先手必勝


まるで私が観たいテレビを観れないから
部屋を飛び出してきた、かのような内容のメール












家を出て3日目の夜


何も連絡がなかった彼から
珍しくLINEが届いた




『この三日間どこか、お出掛けできたのかな?
 今日は昼間にでも帰ってくると思ってたんだけど・・・
 明日オレ迎えに行った方がいいの?
 なっちゃん!オレ作戦考えたよ!帰ってからのお楽しみ!』








不安がよぎる・・・


まさか・・・









私の予想は的中









アパートの寝室にはA4サイズくらいの
ポータブルTVが置いてあった・・・
 







そういう事じゃ


ないんだよ、、、、






ウチのハダカの王様